歯垢を顕微鏡で見てみると、糸状のもの(糸状菌・真菌・カビ)が歯垢中に高頻度で観察されます。 お口の健康維持にとっての問題は歯垢ですが、この歯垢は真菌(カビ)と細菌によって構成されているのが顕微鏡で観察されています。今まではこの歯垢の中の細菌だけが注目されていましたが、ここで真菌(カビ)にも目を向けてみましょう。

カビと聞くと腐敗をイメージすることが多いかと思います。ですが実際はお口の中には大量のカビ菌が生息しています。このカビを専門用語で真菌と呼びます。
お口の中の真菌は、特にいてもいなくても関係なく、たまに口腔カンジダ症を発症する原因菌ぐらいにしか思われていませんでした。しかしお口の中の真菌と歯垢の関係が徐々に判明してきました。(真菌は細菌の100倍以上の体積があり酸素をたくさん歯垢中で消費して酸素のない歯垢が出来ます。結果として酸素のないところに生息する嫌気性菌が増殖しやすくなります。嫌気性菌は病原性が好気性菌に比べて強い傾向があり、口臭の原因物質も作ります)
さらに真菌は細菌よりはるかに大きな体で粘着性の物質を産出しますので、歯面への細菌付着を促進させているという論文報告もあります。(プラーク1gの中には、最大で1,000億個の細菌や真菌が存在します。唾液1g中には1億個、鼻水1g中には10万個であることから比べても、お口の中の細菌は桁違いに多いことがわかります)
植物の戦う力歯磨き剤の目的は、歯垢中の真菌を減らし、お口の細菌叢の改善の持続性を保つことです。真菌も細菌も目に見えませんが、真菌が減ることによる変化として起床時の爽快感と口臭予防の持続性を一番実感していただけるかと思います。
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